茨城県下妻市 内モンゴル自治区正藍旗 内モンゴル自治区烏蘭布統 千葉県君津市 新北市老梅 PHOTOGRAPHER 出家遁世、そしてパッション カメラとの出会いはそう古くはない。一眼レフの入門機を購入した時には、五十の年齢に近づいていた。当時、外務省で中国課長をしていた。外交官人生で最も忙しく、また最も緊張を強いられた時期でもあった。緊迫した外交のやり取りから刹那的に逃れたかったのかもしれない。 撮影を始めて、瞬く間に写真の世界に引き込まれた。レンズを通して見えてきた自然の美しさや人々の喜怒哀楽、これまで見過ごしてきた世界がそこにあった。しかも、写真は、それを作品として記録することができた。 その後、外交活動でも大いに写真撮影を利用した。台湾や中国蘇州で個展を開き、政府の要人や友人には自作の写真パネルを贈呈した。自然の神秘さや生活する人々の豊かな表情は、日本と中国や台湾、いや世界との間で、共通点は計り知れなかった。 2024年末、外務省を退官したあとは、写真を中心とした生活を送りたいと考えていた。これは私にとって、いわば出家隠遁であり、これまでの外交や中国との関わり合いを整理することを意味している。また、英語で言うところのパッションでもある。第二の人生で新たなチャレンジに挑み続けたいと思っている。 フォトグラファー 垂 秀夫 PHOTOGRAPHER PROFILE フォトグラファー 垂秀夫プロフィール